昭和31年徳島市に生まれ、彫刻が好きで徳島の職業訓練校の木工部に入学。そこで木工について基礎から学び、昭和49年の卒業時に訓練校より紹介され、神戸市垂水区にある家具製造会社に入社し、そこで筒井和男師と出会う。そこでは主に家具彫刻の仕事に携わり本格的な彫刻を手掛けるようになる。3年半後の昭和52年、年の瀬も押し迫る12月に会社の寮より荷物を車に積み、筒井和男師に遅れる事約3ヶ月後に、岸和田に足を踏み入れる事になる。そして筒井和男師に弟子入りし、地車彫刻師としての第一歩を踏み始める。岸和田に来て初めて見た地車が、工務店に修理に入っていた名地車と言われる貝塚市東地車。地車彫刻を初めて目のあたりにして「このような彫刻を彫れるようになりたい」と思った。
来岸して初めの内は使い走りばかりであったが、日が経つ内に建築物や地車の懸魚等を彫らせて貰えるようになり、後に弟弟子も入門して来て修理地車の松良彫り替えに追われる毎日であった。昭和59年の岸和田市荒木町地車は主に仕上げを担当し、昭和61年末に師匠 筒井和男が他界された事により、翌年には兄弟弟子協力の下、堺市中区深井北町地車を完成。その後、地車や太鼓台を手掛け、平成4年には中心的な役割で岸和田市大道町地車を完成させ同年に独立。独立後には主に、岸和田市八幡町・岸和田市春木本町・岸和田市春木南・岸和田市今木町・堺市西区津久野(踞尾)西組・東大阪市大蓮・岸和田市中井町の地車を完成させ、現在2名の弟子を抱え、平成25年完成予定の泉北郡忠岡町の道之町地車を手掛けている。
■木彫近藤
岸和田市畑町1丁目10番27号
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